January 17, 2006

見つめると言えば…

江戸川区自然動物園にレッサーパンダがやって来た2001年の秋、その時からずーっと第一線で活躍しているのが、ブナ君5才(妻子あり)。
久しぶりにブナ君の顔を見ると、なんだかホッとします。
割とハンサムなんじゃない?と、最近思えるようになってきた。

イカしたブナ
ところがこの写真は昨年末に撮影したもの。
実は次男坊に噛みついて「ピーッ」と叫ばせた直後の写真なのです。
他の来園者をジッと見つめています。

正面ブナ
一方、こちらの写真も同じ日に撮影したもの。
やっぱり次男坊を四肢でがんじがらめにして格闘した直後です。
右奥にようやく解放された次男坊と、心配で寄って来たのかユウユウが写っています。
そしてこの時はブナは私の方を真っすぐに見つめていました。

息子と格闘した直後にブナが人間の方をじっと見つめる、という行動は昨年から見られました。
興奮状態だから何でも気になるのか、周囲が気になるから子パンダと格闘するのか、それは判りません。

そもそもブナと子パンダ達の格闘が本気なのか遊びなのか、実際に見ていても判らないのです。
見ている人の反応も様々で、私が「これはヤバイんじゃないか」と感じている格闘でも、他の人は笑いながら「遊んでいるんだよ」と言っている。
本気かそうでないかが判るだけでも、どれだけ気楽に観察できるようになることか。

今のブナはユウユウ&次男坊ペアとは分けられて、一頭だけで展示されているようなので、とりあえずハラハラしながら観察をすることはなくなりました。
でももしブナと次男坊がレクリエーションで格闘していたのに私が過剰反応していたとしたら、ゴメンねブナ。

ただ一年かけて導き出した判断基準として、噛まれている方がホイッスルのような「ピーッ」という悲鳴を上げたら、遊びのレスリングの域を超えているのではないかと思います。

ファイティング・ブナ
立ち上がっているのがブナ、手前は次男坊。
何も先入観なく静止画像を見る限り、微笑ましい場面ではあります。

他所の動物園でも父子ですらない雄同士を同居させて、問題ない所は幾つもあると思います。
多摩のブーブーなんて、マグロ君や何頭かの若者パンダと一緒の放飼場にいて、時々若者が挑んで来ると片手でホイッと相手を転がして悠々としていました(ま、黄太郎とのバトルは見物だったけれど、あれは互角だったからなー)。

だからと言ってブナ君が特別凶暴なのではなく、周囲への関心度が高い性質なのだと思うのです。
だから人間の事も頻繁に見つめている。
人間にできることは、観察して可能な限り真実に近い答えを見つけ出すことなのでしょうね。

(思いのほか重い内容になってしまったので、バックデートでコソッとアップロードしました)
Posted by redpanda at 12:31 P | from category: 江戸川区自然動物園 | TrackBacks
Comments

げろっぱ:

う〜ん、、、人間も色々だしレッサーパンダも色々なのですよ。きっと。
でも、ブナ君はマーキング回数が多いと思う。
断然、格段に多いと思う。
(お尻の振り方が激しくて目立つだけかしら?)
だから、より縄張り意識が強いのかも知れません。
メスの子パンダだったらどうだったのかな?
多摩のひまわりチャンは両親と同居でしたが問題なし。
でもオスが生まれた市川はオス親とはまだ同居はさせていないですよね。
(January 19, 2006 06:33 P)

yo-co:

げろっぱさん、
コメントありがとうございます。
こういう一人で考えていても答えの出ない話は、他の方からの目線で
語っていただくだけでも多角的に物事を見られるようになるので
特にありがたいなぁと感じます。
メスの子パンダだったら…、と私も凄く考えます。
きっとブナとその娘という組み合わせも、いずれ観察できる日が来ますよね。
(January 19, 2006 11:22 P)

yo-co:

りおさん、
りおさんのコメントを読んで、カツオとマグロが生後半年くらいの時に
両親と同居しているのを見たことがあったことを思い出しました。
子パンダ達は母親のイクラにべったりで、父親のタンタンは我関せずと
いった風情で、その名の通り淡々と過ごしていました。
そのタンタンの息子のマグロは気性が優しいのかも知れませんね。
そしてブナは時に人間を凝視するあの行動は、強い性格の現れだったりするのかも。
レッサーパンダといえど持って生まれた性格の影響が、色んな所に出るんだなぁ。
(January 19, 2006 11:34 P)

えのも:

こんにちは。ブナ君対次男坊君の取っ組み合いについては、私もとても気になっています。丁度一週間くらい前に、思い切って電話で担当飼育員さんに伺ったのですが、次男君は未だ性成熟していないので、オス対オスのけんかではないそうです。ブナは手加減しているというのです。
私はパンダ達の胸のうちまで解らないですし、勝手な感情移入もあり、次男がやられているとかわいそうと思ってしまうのです。放飼場が2つあればいいのになぁ・・・なんて思うこともあります。
ブナ君がどこまで手加減しているのか解りませんが、やり合っているうちに本気になるなんてことも、けんかしているとあることですよね。もし、去年のロン君のように怪我をして血が出るようになってしまったら、やりすぎですよね。ブナ君を悪者にする気はまったくありませんので、ごめんなさい。
動物園さんの考えで、今でも3匹を一緒に
出しているローテーションもあるそうですが、私達は柵の外側から見ているだけなのです。いろいろ心配するとつらくなるので今は次男君、強くなって下さい!そして逞しく育ってねと願い、一歩引いて見守っています。
そして他の個体とコミニュケーションをとれるように成長すれば、それが子孫を残せると言う事に繋がるのでしょうから。異性とお見合いしても、キョトンのレッサーもいるそうです。(どの子かなぁ)
それとその飼育員さんは、ロン君が死んで食事が咽を通らないくらい悲しんだのは、自分達ですとおっしゃっていました。誰よりも長い時間見ているのですから、もう信じてお任せするしかないのでしょうね。ユウユウちゃんは悲しまなかったのか聞いたところ、ケロッとしていたそうです。元は野生動物なのだから、人間と同じ感情を期待しても相手はあまり深く考えていないのかな。それでもかわいいレッサー君たちは
私のハートをギュッと掴んで放さないのです・・・
なんだか重たくなってしまい、すみません。あぁ、でも少しすっきりしました。
(January 20, 2006 07:46 P)

中山:

そうですね、例え1パーセントでも不安があるのなら危険はおかして欲しくないですよね。それで他の人達が不満を持ったとしても安全を第一に考えてくださるようにお願いしたいです。
(January 20, 2006 09:11 P)

yo-co:

えのもさん、
もしかしてえのもさんは私の内なる声?という程、私の思いも表現して下さっています。
でもえのもさんのように勇気を出して直接問い合わせる事で、動物園側の考えも判り、自分の考えもまた整理できる事に繋がると思います。

実は今回のえのもさんの書き込みを読んで、私は密かにホッとしている事があります。
実は私も手紙で「ブナと子供を一緒に展示しないで下さい」と申し入れた事があるのですが、もし自分の意見通りになったとしても色々な機会が失われる可能性を悲しんでもいました(勝手な話ですよね)。
でも展示ローテーションの中に3頭展示を残しているということは、最もブナ達の事をよく知っている飼育員さん方がそのように判断されたのですから、それで良いのだと感じています。

「ロン君が死んで食事が咽を通らないくらい悲しんだ」という飼育員さんの言葉には万感の思いが込められているように思います。
直接に飼育にあたる現場の方々は私達が思うより遥かに強い思いで仕事をしているのでしょうから、私はせめて一頭でも多くの子パンダが大人になれるよう祈りたいと思います。
(January 21, 2006 11:05 P)

yo-co:

中山さん、
私も同感です。
色々と思いを廻らした結果、今年だけは次男坊が成長して大人になるのを最も大切な事と考え、このブログもそのような方針で作ろうと決心しています。
(January 21, 2006 11:15 P)

えのも:

管理人さまへ、
少々出すぎた書き込みをしてしまったかと思いましたが、優しいコメントをありがとうございます。これからも応援しております。
(January 22, 2006 10:52 P)

yo-co:

えのもさん、
出過ぎたなんてコトは全然ないですよー。
江戸川レッサーを見守っている仲間がいる事がとっても嬉しいです。
次男坊には強力なファンクラブがついているのだから、きっと逞しく成長してくれますよ!
(January 22, 2006 11:25 P)
:

:

Trackbacks