June 10, 2005

WWFジャパンのプレスリリースについて

2005年6月8日付でトラフィック・ジャパン及びWWFジャパンからレッサーパンダに関するプレスリリースが出されました。
「レッサーパンダは絶滅の危機にある動物である」
―直立するレッサーパンダが人気を集めていますが、国際条約で保護されている動物であることを知ってください―


このリリースに関しては複数のニュース系サイトにも掲載されていますが、その紹介はほんの一部分でしかありません。
どうかこのリリースの全文をお読みください。

風太君の一件がマスコミを賑わせ始めた時、私は「これで世間一般のレッサーパンダに関する認識が少しは高まるかな」と期待しました。
しかし、実際はレッサーパンダが絶滅危惧種であることに触れた報道はあまりにも少なく、実際に動物園に足を運んでも「これ、アライグマじゃないの?だってラスカルじゃん」と、この程度の認識でしかありませんでした。

以下、WWFのプレスリリースからの引用になりますが、レッサーパンダについての確認です。
●レッドリストという希少動物のリストに掲載されている「絶滅危惧種(EN)」に分類されていること。
(しっかりとした保護策をとらなければ、20年後には野生のものは絶滅してしまうかもしれないと警告を発する専門家もいます)

●日本国内においては、種の保存法(正式名称:絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)という法律で、厳格に保護されていること。
国内の動物園同士などで移動させるときは、種の保存法第13条の規定にしたがって、飼育繁殖などの学術研究目的を環境省に申請し、許可を得なくてはなりません。

●野生での主な生息地は、ヒマラヤから中国南部にかけての標高1,800〜4,000mの山岳地帯にある森林や竹やぶであること。

(管理人注:『あらいぐまラスカル』は20世紀初頭のアメリカ北東部での物語なので、その頃のアメリカには動物園にすらレッサーパンダはいない筈です。)

そして何よりも人間が認識するべきこと。
●絶滅の危機に瀕している原因は、レッサーパンダの生息地が農業用地を切り開く目的などで破壊されたり、毛皮を取るために捕獲されたり、生きたまま個体が違法に取引されたりしていること。
レッサーパンダを絶滅の淵に追いやるか、この危機的状況から救い出すか、いずれにしても人間活動にかかっています。

プレスリリースは以下の文章で締められています。
「商業的に関心を向ける関係各位におかれましても、このような希少動物であるレッサーパンダに過剰な負担がかからないように十分な配慮を望みます。」

先日から放送され始めた風太君の姿が見られるCMは残念ながら、ただ立ち上がる姿を見せて視聴者の興味を引くためだけの映像でした。
レッサーパンダの認識向上にわずかな期待を寄せていた最後の人々も、あのCMを見て「このままではダメだ」と感じたのではないでしょうか。

日本人の多くが、動物園の動物は単なる「見せ物」だと無意識に位置づけているのではないかと私は思います。
しかし、動物園の動物は「生きもの」です。
動物園という施設は来園者に動物の姿を見てもらい、その生態や生息地に関して学ぶ場を提供するとともに、動物の生態を研究し種の保存の一助となる役割を担っている場所でもあります。
動物園は見世物小屋ではない、ということを今一度、頭に入れて下さい。

そして千葉市動物公園だけでなく各地の動物園におかれては、「動物園≠見世物小屋」となるよう、より一層の展示の工夫をお願いしたいと思います。

てゆーか、おカネ貰い過ぎてジャブジャブ浪費している日本の金持ち達!動物園に出資してよ。
アイディアはあっても資金がないってトコは多そうだからさ。
日本の金持ちって「Noblesse Oblige」(持てる者の義務)という言葉を知らないから、だから品がないのよね。
(最後に論旨がずれた)
Posted by redpanda at 07:26 P | from category: Main | TrackBacks
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