March 29, 2006

風太の空

ここ二日ほど、私の書く文章がまるで奥歯に物が挟まっているかのように感じられた方は、行間を読み解く能力に優れていらっしゃると思います。

げろっぱさんのブログ「レサパンだれだれ日誌」、3/23,24のエントリー記事を読んでからというもの、風太君の体調が気がかりでなりませんでした。
人相が変わって見えるほど風太君が激ヤセしてしまった原因は、動物園側の言うように「換毛中」だからなのか、それとも何かしらの障害を抱えているからなのか、自分の目で確かめるべく本日は休暇を取って千葉市動物公園へ。

見上げる風太

結論から言えば、「どちらか解りません」。
確かに換毛には違いないでしょうが、そこに何らかの疾患が伴うのかどうかは、どうしても解りません。
そうですよね…、見るだけで解るなら、あらゆる動物の飼育員さんはとうの昔に自分の担当する動物の病気を見抜いている筈。
それでも忙しい飼育員さんが見逃した物をキャッチできないかと思いましたが、やっぱり解るわけはありませんでした。
せめて風太に体重の変化があったのかどうかを飼育員さんに伺いたかったのですが、それもできませんでした。

ただ、昨年来のストレスが二頭のレッサーパンダに影響を及ぼしているのは間違いないと思います。
理由その1は、換毛が始まるのが早すぎること。
理由その2は、昨年は目立った換毛のなかった風太が、今年は人相が変わるほど換毛していること。

昨年は全国的にレッサーパンダ達は、観客増により従来とは異なるストレスを感じていたと思います。
各地のレッサーパンダの今年の換毛がもし例年より激しかったとしたら、是非ストレスと換毛の度合いの関連性を、研究できる立場の方に考えていただきたいです。

そして千葉市動物公園には、レッサーパンダの新展示場の建設を延期するわけにはいかないでしょうか。
来園者のざわめきとフラッシュに慣れようとしているパンダ達を、更に違う環境へと送り込むのは、あの小さな身体に負担が大きすぎやしませんか。

風太君はよく空を見上げています。
夏場でも来園者が姿を見られるよう空調の利いた部屋にパンダを入らせ、風太の好きな空すら見られなくしてしまうのでしょうか。
風太君は天然の風に包まれてこそ、風太なんだと思うのですが。

ここからは、現在の展示状況など。

13時からのお食事タイムは、10分前に放飼場に行ったのでは最前列には並べませんでした。
放飼場を二重に取り囲んだ人垣の、それでも幸運にも小さな子供の後ろに陣取る事ができた私でした。
しかし、レッサーパンダ登場直前にやってきた親子連れの「ささ、お姉さんの前に入れて貰いなさい」という展開で子供を前に通した結果、自分はパンダ達の食事風景が殆ど見えない位置に追いやられる羽目に。
ええ、こんな事を書いていること自体が大人げありませんよ。
でも、でも…、大人は辛いよ、トホ…。
そんなワケで笹をモリモリ食べる二頭の写真はありません。

それでも以前と異なるのは、人間の入れ替わりが早いということです。
風太君騒動が最高潮の頃は30分一時間と粘っていた人々も、今日は10分程度で移動していたように思われます。
人の後ろで立っていれば程なく前の人が立ち去ってくれるので、いつの間にか最前列でレッサーパンダを見る事ができます。

展示は、放飼場横では13:00〜14:00(フウタ)、14:00〜16:00(チィチィ)と貼り出されていましたが、私が立ち去る15時すぎには二頭とも放飼場に出ていました。
どうやら動物園正門を入ってすぐの場所に掲示してあった13:00〜16:00(フウタ、チィチィ)の方が最新情報だったようです。

最後になりましたが風太とチィチィの様子は、今日の風太は「チィチィちゃん好き好きモード」だったらしく、何度もチラ見したり後ろを追いかけたり、背後から襲いかかって追いかけっこしたりしていました。
チィチィちゃんはずーっと風太を避けていたのですが、夕方近くになると逆に風太のことを目で追うようになっていました。

ギャラリーの多くは、どちらが風太か見分けられていないようでした。
そりゃそうだろ。個体を紹介しているボードの二頭の写真は、換毛前のもので丸まるとしているんだから。
Posted by redpanda at 10:26 P | from category: 千葉市動物公園 | TrackBacks
Comments

hide:

風太くん、去年から心配してましたが、ついにハゲに!
本当に病気じゃなければいいんですけど・・・
人間でも難しいんだけど、「毛が抜ける」以外に、パンダ達のストレス度をチェックできる方法ないんですかね?
抜けてからでは遅いと思います。
千葉市も自分で蒔いた種は自分で責任持って刈り取ってほしいです。
そして全国の動物園に対応方法を示して欲しいです。
早くよくなる事を祈っています。
(March 29, 2006 11:37 P)

げろっぱ:

まさに「花冷え」の天気が続きますね。
いくら寒さに強くても、毛が少ない時は寒いだろうな〜
体重表示は今のところ羽村でしか見ないですね。写真集の中で定期的に体重測定はしていないと書いてありますよ。今は違うかもしれないですけどね。
(March 30, 2006 11:15 P)

yo-co:

hideさん、
例えて言えば、今の風太くんは極端に換毛しているような状態で、幸いにも禿げてはいませんでした。
ただ首周りの毛の抜け方が著しいので、人相が変わったように見えてしまうのです。
でも今後風太君に何かあれば動物園の評判はガタ落ちになると思うので、動物園の評判を現状維持するためにも、風太君の健康を死守することが必要不可欠だと思います。
もちろん動物園の評判以前に、動物たちの健康維持に努めることは絶対条件ですけど。
(March 31, 2006 12:41 P)

yo-co:

かみやさん、
そうなんです、もっと情報を!
ただ、風太君の前に立っていて分ったのは、周囲の来園者の多くは風太君の変化はおろか、チィチィちゃんとの区別さえできないのです。
放飼場の両脇には個体情報のパネルが掲示してあるのに、「風太は尻尾が短い」という一文すら読み落としている人が何と多い事か。
これでは「大声を出さないで」「フラッシュをたかないで」の注意書きも読み飛ばされ、もしかすると動物園側も空しい思いを抱え続けて来たのかも知れません。
だから現場での掲示物は現在の程度が適量でしょうが、もっと知りたい人々の為にせめてホームページで情報を発信して欲しいものです。
(March 31, 2006 12:50 P)

yo-co:

中山さん、
毎年見られるブナ君の大胆な換毛で免疫はついているつもりだったのですが、その私が今回は唖然としてしまいました。
自分達の大好きな動物がお世話になっている動物園&飼育員さんですから、文句を言わずに済むのならこれに越した事はありません。
本当、嫌な事は言いたくないですよね。
でもあまりにも何も判らないから、つい不安を口にしてしまうのです。
それを埋めるのは、やはり動物園側からの情報発信だと思います。
(March 31, 2006 01:01 P)

yo-co:

げろっぱさん、
大人の個体の体重を測るのは至難の業なのかも知れませんが、風太君が元通りになるまでの期間だけでも体重測定をやってみて欲しいですね。
ところで千葉Zooのレッサーパンダ放飼場は、大きな木の枝がバッサリ落とされて、灌木の葉も綺麗サッパリ落ちちゃって、やけに小ざっぱりしていましたね。
雑草もなく手入れが行き届いていましたが、レッサーパンダ達の毛並みと相まって寒々しかったなぁ。
そして風太は相変わらず落ち着きがなく動き回っていて、元気な証拠なのかカラ元気なのか、ちょっと見ただけでは判断がつきかねました。どっちだー!?
(March 31, 2006 01:10 P)

yo-co:

りおさん、
たぶん最も辛いのは、ずっと風太君を見守って来た方々だと思うので、無理して会いに行かなくていいですよと申し上げたいのです。
が、やはりできれば今の姿を見てあげて下さい。
いざという時に説得力のある物を言えるのは、時間をかけて見守り続けた方です。
それに見た限りでは足取りも確かですし、元気に走り回っていましたよ。
運動量では充分元気な部類に入ると思うので、後は行動に変化があるのかどうか、どうぞ見てあげて下さい。
(March 31, 2006 01:31 P)

yo-co:

ぴっぴさん
そうです。毛並みがどうのと言う以前に、顔の変わりように気付いた多くの人が違和感を覚えているのだと思います。
動物園の動物をペット扱いしないというのは大切だと思いますが、ある程度の管理は必要な筈で、頻繁じゃなくてもいいから身体測定は実施して欲しいものです。
(April 08, 2006 01:33 P)
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